代表質疑と答弁

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発達障害児を10倍以上急増させたカンガルーケアの中止を!
平成22年第3回定例会6月17日 一般質問と答弁
53番(高山博光)登壇

急激に増加する発達障がい児についてお伺いいたします。
1番、発達障がい児とはどういう症状でしょうか、わかりやすく御説明ください。
2番、1993年に周産期医療の厚生労働省の方針が大きく変わりました。カンガルーケアを後援、推奨し出したのです。厚生労働省の方針はどのように変わったのでしょうか。
3番目、1993年、政府が周産期医療にカンガルーケア政策を取り出して、発達障がい児は急激に増加するのです。1993年より直前14年間の1980年間の発達障がい児は年間平均何人ですか、お答えください。
4番目、直近の数値、2009年よりさかのぼって5年間、2005年までの発達障がい児は1年平均何人生まれられたか、お答えください。
5番目、直近の2009年の1年間は何人でしょうか。
6番目、1993年、厚生労働省が周産期医療にカンガルーケアを採用いたしましたが、カンガルーケアとは何か、わかりやすく御説明ください。
7番、1995年以降、急増する発達障がい児の発生の原因は何だと思われますか。周産期医療、カンガルーケアの採用と無関係ではないと思いますが、いかがでしょうか。
8番、私が行った2年前の質問の答弁で、市は発達障がい児は完治できません。したがって、支援で社会的機能を高めると答弁されましたが、根本的原因が究明できないのかと問うているのです。こんな安直に完治できませんでいいのでしょうか。再度お尋ねいたします。
発達障がい児急増の原因を遺伝子的観点ではなく、周産期医療の観点から根本原因を究明できませんか。
以上、お尋ねいたします。1回目の質問は終わり、2問目からは自席から質問を行います。

副議長(久保 浩)

吉田こども未来局長。

こども未来局長(吉田恵子)

発達障がいの定義につきましては、発達障害者支援法に規定されており、対人関係やコミュニケーションなど社会性の障がいを中心とする自閉症、アスペルガー症候群に代表されます広汎性発達障がい、そして、全般的な知的発達におくれはないが、聞く、話す、読む、書く、計算するなどの特定の分野の習得に著しい困難を持っている学習障がいや、不注意、多動性、衝動性の三つの特徴が年齢不相応に著しく認められる注意欠陥多動性障がいなどで、脳機能の障がいであって、その症状が通常、低年齢で発現するものとされております。
次に、厚生労働省の母乳育児の方針についてですが、昭和50年ごろから母乳育児を推奨する運動が始まり、議員御指摘の平成5年には、ユニセフとWHOが提唱する母乳育児を成功させるための10カ条に関する母乳育児促進キャンペーンに、当時の厚生省が後援するなど、母乳育児を積極的に推奨し、今日に至っております。
次に、発達障がい児数のお尋ねですが、本市においては乳幼児健診や医療機関の受診などを通じ、障がいの可能性があると判断された場合は、心身障害福祉センター及び西部療育センターにおいて、発達状況などについて医学的診断等を行い、早期発見に努めております。両センターの新規受診児のうち、発達障がいと診断された児童は、昭和55年度から平成5年度までの14年間では年間平均で28人となっております。平成17年度から平成21年度までの直近5年間では年間平均278人となっております。最後に、平成21年度に発達障がいと診断された児童は347人となっております。以上でございます。

副議長(久保 浩)

井崎保健福祉局長。

保健福祉局長(井崎 進)

 まず、カンガルーケアとはどういうものかということでございますけど、生まれて間もない新生児を母親が素肌で胸と胸を合わせるように抱き、その上から温かいかけ物で覆う産後のケアのことでございます。カンガルーケアによる感覚刺激によって、母乳の分泌促進や親子の不安低減などの効果があり、近年はほとんどの医療機関で実施されていると聞き及んでおります。
 一方、カンガルーケア実施中の事故も報告されていることから、小児科及び産科の専門医や助産師から成るカンガルーケアワーキンググループや日本新生児看護学会、日本助産師学会などによりガイドラインが作成されるなど、カンガルーケアを安全に実施するための取り組みが広く始められたと聞いております。
 次に、発達障がい児の発生の原因は何かということでございますけど、原因につきましては、遺伝的要因であるとか、生後の環境的な要因であるとか、あるいは新生児期の低血糖など、さまざまな要因の関与が指摘されているところでございまして、現在、発生原因の大半はまだ解明されていないという状況でございます。
 次に、発達障がい児の根本原因は究明できないのかということでございますけど、先ほど申し上げましたように、まだ原因が解明されていないということでございまして、現状におきましては、発達障がいのある子どもに対して、年齢に合った適切な支援を行うことにより、社会的機能を高め、障がいに伴う種々の問題の改善に努めているところでございます。発達障がいの原因につきましては、今後の専門的な知見の積み重ねを見守ってまいりたいと考えております。以上でございます。
 

副議長(久保 浩)

 高山博光議員。

53番(高山博光)

  14年間の1年平均28人が、1993年にカンガルーケアの採用によって発達障がい児が急激にふえ、直近5年間で年平均278.4人と、ちょうど10倍になっています。10倍ですよ。平成21年347人は12.4倍です。すごい勢いでの急増です。これはゆゆしき問題ではありませんか。これらの急増とカンガルーケア採用による周産期医療の政策転換との関連があるのではないのか、遺伝子では説明できません。ほかに原因は考えられません。関連がないとは考えられないんですが、どう判断されているのか、お答えください。カンガルーケアの採用の要点は一つ落とされていましたが、生後30分以内に赤ちゃんを胸と胸で抱かせて授乳させるが一つ。もう一つありますが、母乳以外には水分も糖分も人工ミルクも与えない、母乳だけで育てる、他の養分もやらない、新生児は母乳のみで育てる、これが二つ基本でございます。要点ですね。
 しかし、これに大きな問題があって、産婦人科に聞いて回ると、初日、母親のお乳は出ないそうです。赤ちゃんは栄養ゼロになるんです。水も、人工ミルクも飲ませられないんです。また、母体内の赤ちゃんの温度は38.2度なんです。30分以内に母に抱かせると、空調のきいた母親の部屋は24度から26度で、25度として考えれば13度下がるんです。病院の部屋はこれに設定されています。これは大人の快適温度であって、赤ちゃんの快適温度は32度から34度の間なんです。出生直後の低体温と直母のみで母以外の糖水、人工ミルクを全く飲ませないところから、無栄養による低血糖症が原因と言えないのか。どう思われますか。カンガルーケア中に赤ちゃんの呼吸停止や心肺停止の事故の報告が最近たくさん出ております。カンガルーケアは間違いだと私は思っていますが、いかがでしょうか。
 次に、これら発達障がい児急増は、診断の基準が変わったから、あるいはそういうふうな形でふえたとおっしゃっておりますが、しかし、福岡市の10倍から12.4倍、この数値は診断の基準が変わったから一見ふえたように見えるが、実態はそうふえていないと答弁があっておりましたが、これは余りにも多過ぎる。分類のやり方が変わった模様、ほかの区分はほとんど変わらないんですが、特に伸びているのが精神遅滞と発達障がい児が激増しているんです。10倍というこの現実を分類の仕方が変わっただけで説明できるものではないと思います。また、遺伝子的な要因は、遺伝が原因なら、今、少子化で子どもが減っているんですから、発達障がい児も少なくなるべきですよ。これは説明をできない。さらに、一卵性双生児の双子は、そろって障がい者になるはずですが、3分の1は1人だけしかなっていない事実、これで遺伝子というのを説明できないと思います。もっと真摯にこれらの数字と現実を重く考えるべきではないのか、そう思いませんか。
 近年の発達障がい児、とりわけ自閉症スペクトラムの異常なほどの増加に対し、自閉症は先天的な脳の機能障がいであり、多くの遺伝的因子が関係していると報告され、精神科医、小児科医、生理学者が中心となり、原因解明を進めているようですが、自閉症に関するこれまでの疫学調査は、遺伝的因子だけではなく、低血糖説も出ております。我が国では、カンガルーケアを採用した1990年代後半から自閉症が異常に増加しているが、その増加率の速さから、自閉症の原因を先天的な遺伝子だけで説明するのは全く困難でしょう。子どもは減っているので減るべきです。
 次に、厚労省や役人は、自閉症患者は診断基準の変更をきっかけに増加したと逃げを打っています。しかし、福岡市の発達障がい児の数が、1994年、DSM-4診断基準改定後も著しくふえていることから、周産期医療側からの調査研究も絶対に必要と思います。この急増の実態は遺伝や診断基準の理解による増大のみでは説明になっていません。カンガルーケアと発達障がい児等の明瞭な関係を解明するべき、そう思われませんか。これこそあなたたちの厳しい義務とは違うんですか。
 2008年5月29日、福岡市の関係四、五人が東京の学会で発表しています。その中で発達障がい児の発生率は、同規模の施設間で個人病院のAとBでは最大6倍の差があったと福岡市は発表しています。発達障がい児の発生頻度に分娩施設間で差があると論じて結論づけていますが、病院間で出現率が6倍もあることは、遺伝でないことの証明ではありませんか。遺伝なら、AとB病院で差は絶対にあり得ません。また、その出現率の低い、すぐれた個人病院の実態、施療方法等、調査したのかどうか、お伺いいたします。何が違って6倍化したのか、これを調べられましたか。お産をした病院の差、お産直後のケアと、そんなのを調査したのか、お伺いいたします。これこそ生きた見本ではないのか、お尋ねいたします。
 それから、カンガルーケア中の事故の報告が余りにも多過ぎます。ここに産経新聞がありますが、21年12月、長崎の産婦人科医院で母親が出産直後に一定時間、胸元で赤ちゃんを抱くカンガルーケア中に赤ちゃんが呼吸停止し、現在、脳機能障がいになっていることがわかった。
 男性会社員44歳の妻45歳が長男を出産。男性院長と女性助産師はベッドで寝ていた妻に長男を抱かせた。直後から長男のつめが紫色になり、手足も動かなくなったが、20分後に妻の叫び声で院長らが駆けつけたが、長男の呼吸はとまっていた。長男は市内の病院に救急搬送されたが、NICU、新生児集中治療室で人工呼吸器をつけたままとなっている。福岡市の九州医療センターで21年11月、去年の11月に心肺停止、11時間後に心肺停止がカンガルーケア中に行われ、母子同室中に意識不明で今入院中です。九州医療センターは赤ちゃんに優しい病院とされ、カンガルーケア、母乳以外飲ませない政策をとっている病院です。
 さらに、3月3日の新聞、南米で始まったカンガルーケアは、カンガルーケア中に赤ちゃんの呼吸がとまる事故なども相次ぎ、安易な実施を疑問視する専門家が多いとして、相次ぐ事故、安易な実施に警鐘というのが載っております。さらに、出産直後のカンガルーケアに否定的な医師もいるとして、日本の寒い分娩室では生後1時間前後で体温と血糖値が最も下がる。出生直後からカンガルーケアを行うのは極めて危険です。症状が表に出ない場合でも、脳の発達に障がいを与える可能性もあると指摘しています。昨年の日本母乳保育学会の学術集会でも、カンガルーケア中に赤ちゃんの状態が急変したケースが全国で少なくとも16例報告されています。そのうち10例は心肺停止や呼吸停止に陥り、うち2人は死亡、5人は脳機能障がいなど重篤な後遺症が残されたと言っております。重度の低血糖症では、生命維持をつかさどる自律神経の動きが機能不全になると、これは医者が指摘していますが、要するに生命維持を図る自律神経がストップするということですから、死ぬということですね。これは低血糖になると。
 さらに、きわめつけはこれですね。厚生労働省の外郭団体、財団法人こども未来財団が、21年3月報告書を提出。カンガルーケアに積極的な全国42の施設中で、今調べたら52件の事故が発生して、2件が自発呼吸ができなくなるほど重篤な状態、9件がチアノーゼですか、酸素欠乏症です。1件が無呼吸発作、6件が気道閉塞、そういうふうに報告され、厚生労働省はこれに対して、カンガルーケアと事故との関連は明らかではないので、特に対策は考えていないということを言っています。
 さらに、世界の学会、日本の学会、そういったところで非常に見直しの声があります。日本小児神経学会でトルコチームは、母乳が不十分な赤ちゃんは特に出産直後に一時的に飢餓状態に置かれ、低血糖が起こる結果、特に脳に重大な影響を及ぼす。また、新生児低血糖の結果として、脳障がいに罹患した乳児はすべての患者に胎児期及び周産期に問題があったと指摘しています。山形大学早坂清教授は、日本小児学会雑誌で、正常な出生児において、完全母乳栄養管理中に低血糖となり、けいれん及び脳障がいを来した例を報告し、低血糖は意識障がいやけいれん等中枢神経症状を引き起こす。新生児では意識障がいが気づかれにくいが、けいれん、チアノーゼ等を発症し、不可逆的に脳障がいに至ることが多い。6カ月以下の乳児では、重篤な低血糖になると、20ないし30%に神経学的障がいを起こす。母乳分泌が不十分な母親、消費エネルギーが大きい赤ちゃん等乳児の栄養失調は中枢神経の発達障がいをもたらすので、個体差を考慮し、母乳が足りなければ補完すべきだと言っております。国の内外の小児科学会や海外からも、母乳至上主義、カンガルーケアに神経障がい、後遺症の警告が発されております。しかも、世界的に有名な鹿児島市立病院の総合周産期母子医療センター茨原聡さんは、母乳が出ない人もいるので、完全母乳を進めるなら、赤ちゃんの脳を守るために血糖値を測定し、低いようなら、糖水や粉ミルクを与えるべきではないかという発言もあります。
 そして、最後に一つ、助産師さんの疑念というのが載っていましたが、これが非常に説得力を持っているので、これを読まさせていただきますと、「母乳育児に柔軟性をもって」、「栄養不足?」現場に不安。栄養が足りているのだろうか。看護専門学校で教員をしている助産師は、5年ほど前からそんな不安を感じてきた。実習先の産科施設で赤ちゃんがおなかをすかせて泣き続けているからだ。母親の乳首を含ませても、すぐにまた泣くという。最近は世界保健機構、WHOとユニセフ、国際児童基金が共同提案した母乳育児を成功させるための10カ条に忠実に従い、母乳だけを貫こうとする施設が少なくない。だが、完全母乳を進める産科施設へ生後数日の赤ちゃんがけいれんを起こしそうになっていたのに出くわした。粉ミルクを置いていないので、おっぱいを吸わせるしかない。でも、初産婦は母乳がちゃんと出るまで大体数日はかかる。これでいいのかと思った。数日かかるんですよ。その間、何も飲ませないんです。完全母乳にするなら、毎回、赤ちゃんの体重をはかって、どれぐらい母乳を飲んだか、必要栄養量は足りているか見るべきではないか。赤ちゃんが夜も泣き続け、睡眠不足でまいってしまう母親もいる。ベテラン助産師が「ミルクをあげていいのよ」と助言すると、母親はほっとした表情を見せたという。この助産婦は、母乳はできるだけ与えたほうがいいが、十分に出ない人もいる。ミルクはだめとすり込み行き過ぎの母乳推進は母親を追い詰めてしまうと言っていますね。いいですか、初産婦はちゃんと母乳が出るまでに数日間かかる。これは看護学校の助産師の観察ですよ。
 私は、発達障がい児は厚生労働省の周産期医療政策がつくっていると、そういう判断をせざるを得ないと思っておりますが、いかがでしょうか。今、総合的にいろいろの疑念点を流しましたが、これについての御意見をお聞かせください。
 

副議長(久保 浩)

 井崎保健福祉局長。

保健福祉局長(井崎 進)

 まず、カンガルーケアとの関係を究明すべきだということでございますけど、先ほどから申していますように、原因についてはよくわからないということもございまして、今後とも発達障がいの発生とカンガルーケアとの関連についての情報の把握に努めてまいりたいと考えております。
 次に、発達障がい児の発生の原因は低血糖と思われるが、どうかということでございますけど、発達障がい児の発生の要因につきましては、先ほども申し上げましたように、さまざまな要因があるとされており、議員御指摘の低血糖は脳障がいを起こす一つの要因であるとされております。しかし、発生原因の大半はいまだ解明されていない状況で、近年の発達障がい児の増加との関連も解明されておりません。今後も専門的な知見の積み重ねを見守ってまいりたいと考えております。
 また、次に、カンガルーケアについてどう思うかということでございますけど、カンガルーケアにつきましては、母親のきずなの強化など母子関係の形成上すぐれていることや、母乳の分泌がよくなるなどのメリットがあるとされております。一方で、ケア中に容態が急変した事例も報告されておるということでございます。
 それから、次に、今後、周産期医療の関連を早急に検討し、予防医療を強化すべきであるということでございますけど、発達障がい、自閉症の増加と周産期におけるケアにつきましては、医療現場や学会ではまだ解明されていないということで、議員御指摘のカンガルーケア中の心肺蘇生が行われた症例につきましても、平成19年の日本産婦人科医会報でも報告され、カンガルーケアを行う上での留意点などが提言されております。また、このような発表を受けて、小児科や産科の医師、助産師のグループによるカンガルーケアガイドラインが作成されるなど、安全にカンガルーケアを行う取り組みが広く始められたと聞いております。本市といたしましても、今後も知見の把握に努めてまいりたいと考えております。
 カンガルーケアについて、今度はどう思うかということでございますけど、先ほど申し上げましたように、母乳育児や良好な母子関係の確立に有効であるとされており、近年、ほとんどの医療機関で実施されております。一方で事故があるということで、今後、カンガルーケアと発達障がいの関連につきましては、いろんなそういう報告等を収集してまいりたいと考えております。
 それから、最後にでございますけど、議員御指摘の実態調査報告でございますけど、これは福岡市立こども病院・感染症センターの小児神経科の医師等が、平成20年5月に日本小児神経学会で発表した福岡市の発達障がい児の実態調査というものであると思いますけど、その中で発達障がい児の出現率が同規模の個人病院間で最大6倍の差があったとの報告、これは遺伝ではないことの証明ではないかとのおただしでございますけど、一方、この報告の中で、お産をやめる施設がふえる社会情勢の中で、一部の分娩施設にお産が集中し、リスクを抱えた妊婦もまた集中していると考えられると述べられております。さらに、発達障がいは病院の規模や周産期障がいの重症度の差とは関係ない遺伝的背景を持った集団であり、これを新しい診断基準で掘り起こしていると判断するのが最も妥当だと考えたと、同報告ではされております。
 なお、同報告作成時における病院ごとの施療の違いなどにつきまして、調査の有無とか、調査内容については把握いたしておりません。以上でございます。
 

副議長(久保 浩)

 吉田こども未来局長。

こども未来局長(吉田恵子)

 母乳育児につきましては、乳児に最適な成分組成で少ない代謝負担であること、それから、感染症の発症及び重症度の低下につながること、母子関係の良好な形成が図れること、出産後の母体の回復の促進が図れることなどの利点があると言われておりますが、赤ちゃんの状態や母乳の分泌状態などにより、母乳で不足する場合には、先ほど御紹介がありました新聞記事等にありますように、育児用ミルクで補うことは重要であると考えております。以上でございます。
 

副議長(久保 浩)

 高山博光議員。

53番(高山博光)

 2年前の答弁と全く一緒で、原因はわからない、知見の把握に努めると言うが、知見の把握に努める、もうこれだけふえているんだよ。原因がそこにわかるやないかということを言っておるわけです。それと、発生が少ない病院を調査していないでしょうが。病院間で6倍も差があるというのに。どういうノウハウを持っているか。どうしたら少なくなるか等の。それから、民間が提言しても、一切聞く耳を持たないと。だから、非常に原因がわからないんじゃなくて、わかろうとしていないという感じがいたします。いいですか。カンガルーケアの根本的欠陥を産科の複数の医師に聞くと、出生初日は母乳はほとんどの人が出ないそうですよ。母乳はですね。カロリー源としてはゼロに等しいそうです。その他の水もミルクも飲ませられないんですから。
 2番目に、母乳だけでは生後3日間の赤ちゃんは低栄養状態に置かれるそうです。出生直後から著しく体重が減るのは、栄養が著しく不足しているからだそうです。初産のときは女性がちゃんと乳が出るまで大体数日はかかると言われております。最もカロリーを必要とする出生初日に保温もしないで、出ない母乳を吸わせるだけのカンガルーケアは、低血糖に陥る危険性がふえておりますが、低血糖状態が続いた場合に、脳に回復不能な障がいを残す危険性があるそうです。低血糖が脳に不利益なことがわかっているにもかかわらず、出生直後の低血糖に対する予防策は全くなされていないそうです。母親の出ない乳を吸って、それ以外の水も人工ミルクも糖水ゼロの状態がどう考えてもおかしいと思うんです。大事なのは赤ちゃんにとって栄養不足がないようにするのが第一で、栄養を満たせば母乳でも人工ミルクでもよいはずだと私は思いますが、栄養が不足すると赤ちゃんの脂肪が燃えて、黄疸が強くなります。完全母乳による保育は栄養不足、そして、重症黄疸、低血糖になっているのが現実だそうです。発達障がい児の発生頻度が多くなり過ぎているんです。いつまでも原因を考える、知見の把握に努めるんじゃなくて、目の前のを処理されませんか。
 次に、学術書によると、病院の空調温度が24 度で、体内が38.2度ですから、赤ちゃんは分娩を境として体内と体外の温度差、マイナス13度は、出生直後の赤ちゃんを一過性の低体温に至らしめ、体温管理、保温しないと体温低下が促進され、低体温状態が持続すると、赤ちゃんの血中グルコースは消費されて、低体温イコール低血糖となり、長期間の低血糖は神経細胞の発育に障がいを与えるそうです。1980年、37年前の開業以来、保育器による新生児管理を行っている民間の医師、久保田産婦人科を訪ねました。出生直後より、保育器30度ないし34度に入れ酸素を吸入させ、生後2時間の保温と母乳分泌が少ない生後数日間の栄養不足を糖水と人工ミルクで補うことで、発達障がいの原因となる低血糖や病的黄疸を防いでいるそうです。治療を有する重症黄疸が500人に1人しか出していない。また、未熟児センターやNICUへの搬送は、ほかの病院の10分の1だと実績を示されておりました。久保田先生、この考えを福岡市保健福祉局に教えてくださいよと言うと、既に文書持参で何度も話し込んだと。すなわち2006年2月、中央区保健福祉センター、福島正子さん、2007年11月、保健福祉局、恒吉香保子さん、2007 年11月、こども未来局、井上るみ部長、藤田光治家庭課長。しかし、その後、反応はゼロとのことでありました。全く惜しいと思います。1万1,000人の出産を実際に行った医師はそうはいないのではないでしょうか。それだけでもカンガルーケアについて十分耳を傾ける価値があるような気がいたします。
 発達障がい児は、完全母乳が始まってから急激にふえている事実は覆せません。世界の例も全く同じ結果を示します。このままでは発達障がい児は際限なくふえ続けます。カンガルーケアと導入後の急増を見逃すわけにはまいりません。こんな政策を続けてはいけません。遺伝や診断基準の変更で発達障がい児の社会的認知度の周知で障がい児がふえたとの欺瞞はもう結構です。日本の医療事故訴訟の32%が産婦人科関係と言われ、そのうち70%が分娩事故と新生児の脳性麻痺、死産です。こんな悲しいことはありません。こういう状態を直し、産科が堂々と働け、もっとふえるように直せませんか。カンガルーケアは政府の方針だが、福岡市民として、もうこれ以上、発達障がい児や精神遅滞児の急激な増加を許すわけにはまいりません。何とか新規発生者の不幸を抑えたいものです。福岡市としてもっと真剣に対峙し、あるべき姿をもっと実務面から明確な検討を対策されてはいかがでしょうか。
 発達障がい児を周産期医療、産婦人科的施療の観点から、カンガルーケアの科学的観点から検討されてはいかがか、ぜひしてください。カンガルーケアは問題点が多過ぎます。カンガルーケアの安全性について今まで全く検証がなされておりません。厚労省の言うまま従っている感じです。科学的にも、また、文献的にも安全性についてさまざまな面から検討が必要と思いませんか。ぜひやってください。いかがですか。
 最後に、何よりもカンガルーケアは一日も早く中止されるべきだと私は思います。情緒的、人間的な面のみ強調されています。医学的、科学的……。
 

副議長(久保 浩)

 高山議員に申し上げます。時間も経過しておりますので、簡潔にお願いをいたします。

53番(高山博光)

続 専門家グループ、医師集団として、カンガルーケア変更の決断を提示されてはいかがでしょうか。非常に大事な問題です。一日も早くとめさせるべきです。このままでは厚労省や福岡市の保健福祉局が障がい者を増しているとも言えます。一日も早く福岡市だけでとめるべきです。どうぞ、所信をお伺いいたします。
 以上、終わります。
 

副議長(久保 浩)

 井崎保健福祉局長。

保健福祉局長(井崎 進)

 発達障がい児の発生とカンガルーケアとの関連につきましては、繰り返しになりますが、医療現場や学会ではいまだ明らかになっておりません。したがいまして、引き続き国レベルでの今後の専門的な知見の積み重ねを見守ってまいりたいと考えております。以上でございます。

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